ANDO'S LABO

趣味を活字に起こす作業。https://twitter.com/zero_1234567 が著者です。

土曜のスーパーは戦場。

おや、今日は午前に肉でも買って料理でもしちゃおうかねぇ。

なんて思いで向かった土曜の午前のスーパー。

 

これがまぁ野戦病院だった。

高齢者はすれ違いざまに肩をぶつけ舌打ち、子連れの女は自分の子供を放置し金切り声をあげ、特別価格の豚やら魚やらを掴み取る。

あぁ、ここは地獄なんだなと。

俺がコンビニやらAmazonで一人の世界に閉じこもってる間に、世界はこんなに荒れ狂ってしまったのかと。間違いだった。俺も社会の一部になろう、皆が集う場所に参加しようなどと思ったことは。

私は普通の人のふりをしたかったのだ。

朝午前に早く起き、文句を言いつつ家族を起こし、午前のニュースが始まるやいなや、家族の昼食を買いにスーパーへ行く人のふりをしたかった。もう一度いう、間違いだったのだ。

 

それでもなんとか豚の生姜焼きを作ろうと、豚と玉ねぎと生姜を手に入れた。

しかし本当の地獄はここから始まる。

レジだ。普段なりを潜める女子供がここぞとばかりに欲望を表す。

だらしのない体の豚女がインスタを開いて列は詰めないわ子供は買うはずのない商品のチョコを掴み走り回るわ。

子供が俺にぶつかるも、その子の親はこちらを怪訝な顔でチラ見し、無視。

あぁ、荒野。そこに怒りの感情を持つことさえも面倒だった。

 

長い長い列を待つ時間、無駄にはしまいと電子書籍を開き、それでもインスタBBAと同じ穴の狢にはなるかとこまめに列の状況を確認し、詰める。

時間を無駄にしたくない、ただ自己中にはなりたくないと言う葛藤の中、私はレジを切り抜け、無愛想なレジのBBAに請求された金額と感謝の意を伝え、足早にスーパーを去った。

小走りだったかもしれない。いや、走っていたのだろう。

 

スーパーを出て、足を止めて後ろを振り返る。

中に入れば、安さと手軽さに支配されたゾンビが彷徨う鬱屈とした空間だが、外から見たスーパーはいやに安心と温かさを感じさせた。

 

ここは俺の居場所ではない、と二度と振り返ることなく私は帰り道Amazonパントリーで本当に買いたかった食品をカートにいれ1click購入をしたのだった。