「おしゃれに見える」ではなくなぜ「インスタ映えする」というのか。
言ってしまえば、
「おしゃれに見える」は、「私からみてあなたはおしゃれに見える」ということだ。
でも、
「インスタ映え」は、「私のみならず、SNSでたくさんの人からおしゃれに見えそう」というニュアンスがあると思う。
「おしゃれに見える」は「個人の感想」のようなニュアンスがあるが、「インスタ映え」はどこか「他人事」で客観的な評価のようなニュアンスがある。
「可愛いね」と「モテそうだね」と同じような違いがある。
「可愛いね」と直接的に言われると、最近のコミュニケーションを避ける傾向にある現代人からしたらなんか距離感が近いような気がする。
だが「モテそうだね」なら、どこか「俺だけじゃなくてみんなから」みたいな、ちょっと遠いところから距離を置いて褒めているような感覚がする。
その発言から、「え、彼って私のこと可愛いっていってる?!」と誤解するのもよし、「あ、ありがと~(棒)」と受け流すのもよし。
いう方も遠回しに好意を伝えているのか、本当にそう思っただけなのかはわからないが、拒否された時のダメージが少なく、「いわれる方もいう方も無難」なのだ。
かくして「インスタ映えするスイーツだねぇ~」みたいな会話が使われるのだ。
これは男女間だけではなく、殺し合いのような気のつかいあいが行われる女子間の会話でよく使われる気がしてならない。